私は警察小説を愛し過ぎている。

読む本と言えば警察小説一筋。推理小説とは違うという持論のもと、日々次なる警察小説を探し求めている。

ACT 警視庁特別潜入捜査班 - 矢月秀作

久しぶりに更新になってしまいました。。。その間読んだ警察小説たくさんあるんですが、ためちゃうと書けませんね。反省!なので、直近読んだ作品から更新。

『もぐら』シリーズや、『リンクス』の著者、矢月秀作の作品。

私の中での矢月秀作は、アクション系のイメージなので、この作品もアクション系かしら?潜入捜査という名前からも、ちょっと『もぐら』を思い起こさせる部分もあり。

いずれにしても楽しみな展開。

ACT 警視庁特別潜入捜査班 (講談社文庫)

ACT 警視庁特別潜入捜査班 (講談社文庫)

 

振り込め詐欺グループの受け子が逮捕されるところから、この物語は始まる。

潜入捜査の”役者”たちが集められ、シナリオが配られる。それぞれが完璧なまでの役作りをして潜入に備える。

こんなこと実際にあるのかな?というくらいの、完璧な役の作りこみ。(この非現実感も矢月秀作っぽい)

そこからの巧みな潜入。妙にトントン拍子に進んでいくことに対して、ばれるんではないかというドキドキ感、焦りが、ページをめくる手を進めさせる。

予想外の展開はないが、お決まりの格闘シーン(主人公が絶対的に強い!)は、奇抜さはないが読後感の良さがやはり矢月秀作という感じの流れ。

続編も読みたくなるので、即購入しました!

  • 主人公の魅力     ★★☆☆
  • 事件の面白さ     ★☆☆☆☆
  • どんでん返し感  ★☆☆☆☆
  • スピード感         ★☆☆☆
  • バイオレンス     ★★☆☆
  • 読後感                ★★☆☆

ゲームマスター 国立署刑事課 晴山旭・悪夢の夏 – 沢村鐵

2017/2/15 読み始め

2017/2/18 読了

TOKAGEの続編を読みたかったのだが、本屋の在庫がなく、違うシリーズを。

沢村鐵の晴山旭シリーズの最新刊だ。

このシリーズは、沢村鐵の『クラン』シリーズの主人公である晴山旭の所轄時代を描いた作品らしいが、クランの中公文庫ではなく、祥伝社から。

これまたメジャー出版社ではないので、書店員さんに感謝!な出会いの本ですね。

クランシリーズは読んでいるので、その晴山旭の過去の話ということもあり、期待値は高め。

これを読み終わったら、『クラン』シリーズも読み直してみようと思う。

 

ゲームマスター 国立署刑事課 晴山旭・悪夢の夏 (祥伝社文庫)

ゲームマスター 国立署刑事課 晴山旭・悪夢の夏 (祥伝社文庫)

 

【読後感想】

珈琲館でモーニングを食べながら読み始め。沢村鐵らしい惹きつけ方で最初からグッと引き込まれていく。結局そのまま珈琲館で読破。ずいぶん長いことお邪魔してしまいました...

物語は、それぞれ登場人物の視点で描かれていく。それぞれが問題をかかえており、物語のはじめから、崩壊を予感させるような危うさを感じさせられる。移り変わる視点で断片的に書かれるストーリーということもあり、入口は若干の読み辛さを感じる部分はあったが、次第に不思議と頭の中には立体的な情景が浮かんでくるようになる。小説の魅力の一つだ。

ところどころ引用されるヒトラーニーチェの言葉や短歌も、段々洗脳されていくような、物語の世界から逃げられなくなるような感覚に陥り、ついつい手を止められなくなってしまった要因。(言葉の細部まではきちんと読まなかったが...)

とにかくみんな狂ってる。狂気の中に、純粋な部分があるかと思うと、それもまた狂気へと変わっていく。まともだと思っていたものが崩れていく。理解しがたいような犯罪者やネトウヨの頭の中を覗いているようなそんな気分になってくる。クランと同じく、現実では起こり得ないような事件展開だが、この狂気は現代の犯罪を映し出しているような気もしてくる、そんな妙な感覚にとらわれる。

作中の月の描写も読み手の気持ちをフワつかせる。

これ以上書くと、ネタバレになってしまうので避けたいが、この壮絶な状況が、クランの晴山旭の根底にあった。ということ。あり得ない狂気から抜けきらない晴山の人間味が、現実(日常)にひきもどされ、ハッとさせられる。

また、『クラン』シリーズに手を付けることにしよう。

  • 主人公の魅力     ★★☆☆
  • 事件の面白さ     ★★★☆☆
  • どんでん返し感  ★★★☆☆
  • スピード感         ★☆☆☆
  • バイオレンス     ☆☆☆☆
  • 読後感                ★★☆☆

TOKAGE 特殊遊撃捜査隊 – 今野敏

2017/2/9 読み始め

2017/2/14 読了


本屋さんの平積みコーナーにて発見。多分2時間ドラマでやってたやつだな、とピンと来て購入。朝日文庫ってあえて見に行かないし、他の文庫に比べてエリアも少ない。書店員さんの采配で出会えた感のある一冊。
今野敏ということもあり、読む前の期待感は高め。

 

TOKAGE 特殊遊撃捜査隊 (朝日文庫)

TOKAGE 特殊遊撃捜査隊 (朝日文庫)

 

 


【読後感想】
今野敏ということで期待感を持って読み進めたのだから、正直、途中から、この作品が今野敏のものであることを忘れていた。個人的な感想ではあるが、展開や視点が今野敏っぽくないのだ。
警察小説にありがちな、最初の読み始めがのめり込みにくいというのはどうしてもあって、読み進めに少々時間がかかってしまったというのはお決まりなパターン。
このTOKAGEは、警視庁のバイク部隊であるTOKAGEの隊長である涼子の後輩である『上野』、前線現場に詰めている特殊班の『和美』、遊軍新聞記者である『湯浅』の視点から語られる。
キャラクターとしての主人公は涼子なのだろうが、彼女の視点からは書かれない。それでいて、やはりヒロインは涼子なのだという書かれ方が秀逸。
トカゲ隊員である『上野』は、特殊班かつトカゲとしての訓練は受けているものの、実際の誘拐事件ははじめてという若者。
前線本部の『和美』も、交渉の中心人物でもなければベテランでもない。むしろ前線本部の特殊班の中では一番の若手で、特にこれといった目立つ役割がないところ。
もう一つの視点『湯浅』はベテランの社会部遊軍新聞記者。独自の視点でフリーに動いていく。この小説の中での唯一フリーに組織の意思とは違う方向に動く人物かもしれない。
警察小説の魅力として、警察官の捜査以外のプライベートや様々な角度からの葛藤が映し出される点にあると思うのだが、このTOKAGEにはそれがない。その中で、『湯浅』という人物のフリーさというのが、この物語に動きを出しているように思える重要な要素。
この物語は、ひので銀行の行員3名が誘拐されて身代金が要求されているという事件をベースに進んでいく。私自身銀行で仕事をしていることもあり、ついつい照らし合わせながら読んでしまった。
この手の警察小説で重要な役割を果たす"捜査を引っ掻き回す空気を読めない存在"として、今回の場合は、ひので銀行常務である飛島と捜査一課管理官の相馬が登場する。こういう、いわばわからず屋達が、物語を面白くする要素でもあることを忘れてはいけない。

前線本部においては、飛島の無責任な態度や責任のなすりつけ。その理不尽さを目の前にしても、動じずに自分の仕事をこなすベテラン捜査員の東海林。捜査本部においては、誘拐事件の素人であり、かつ肝の座らない無能な管理官である相馬に対し、特殊班係長である高部が応じる。

その静かな対立構造を見ているのもまた、上野であり和美なのだ。

銀行側の責任者として、頭取ではなく常務を配置したものまたリアルである。頭取では、ヒールにならないからだ。そのあたりも、よく練られているなと、読み終わってから感じた点。

実際のストーリーはというと、最後の展開が途中から見えてしまって、ワクワク感は低め。展開が分かった上でのどんでん返しをきたいしたがえ、今野敏的などんでん返しはこなかった。展開が見えてしまった読者にとっては、最後の方は、ページをめくる手が、ある種、早くなってしまったのではないだろうか。

作中描かれていた対立構造の収め方も、小気味よさは残らず、ちょっと燃焼不足は否めない。

そんなところからも、今野敏的ではない印象を受けたのかもしれない。

 

  • 主人公の魅力     ★★★☆☆
  • 事件の面白さ     ★☆☆☆☆
  • どんでん返し感  ★☆☆☆☆
  • スピード感         ★☆☆☆☆
  • バイオレンス     ☆☆☆☆☆
  • 読後感                ★★☆☆☆

警察小説愛

私と警察小説の出会いがいつだったか…明確には覚えていないが、多分、その存在を認識したのは、夏休み前に立ち寄った丸善の「警察小説フェア」だったように思う。

もともと、ミステリーや推理小説は好きだったので、その響きに惹かれて、何冊か購入したのを今でも鮮明に覚えている。それから、私の警察小説ファンがスタートしたのだと、今となって思い出す。

普通の人からしたら、いろんな事件が起きて解決していく小説というくくりで、推理小説やミステリー小説、警察小説があって、特にその違いは意識しないのではないかと思う。

かつての私もそうだった。

しかし、警察小説の魅力に取り憑かれてからの私は、もう、警察小説にしか目がいかないのだ。

本屋に出向いては、警察モノを探す。

それが、至極の楽しみになっていった。

家には山積みの警察小説。それを見るのもまた乙な時間なのだ。

そんな警察小説バカとして、警察小説愛好家として、ただ読むのではなく、その魅力を発信すべく、備忘録をつけてみようと思ったのが、このブログの始まりなのである。